Vol.54 曖昧な表現を使う不動産営業マン
前回お伝えしたように、不動産屋と約束を取り交わしたときは、それを書面化することをお勧めします。
「約束を書面化する」ということは、借主にとって「いざというときの証拠書面をもつ」ことを意味します。
それでは、今回は、前回の続きとして、不動産屋と交渉する際の注意点-2についてお伝えしたいと思います。
是非、ご覧になってください!
サラリーマンのAさんは、ある不動産屋の営業マンの案内のもと、1DKタイプの賃貸マンションを見学しました。
このマンションは新築で設備面でも充実していましたが、Aさんは、1階部分にあるごみ収集場にゴミが散乱しているのが少し気になりました。
「このマンション、少し管理が悪いですね・・・」とAさんが営業マンに言うと「この物件は、当社が管理しています。今日は少し汚れていますが、これからは、なるべくきれいにするよう努めます」と営業マンは笑顔で答えました。
Aさんは、営業マンのこの発言に安心し、全体的に条件が良かったので、この物件で契約することにしました。
入居後・・・
Aさんは、改善されたはずの問題に悩まされることになります。
相変わらず、マンションの1階部分にあるごみ収集場にゴミが散らかっているのです。
Aさんは、マンションを管理している不動産屋に連絡し「ごみ収集場周辺をきれいに維持するって約束したじゃないですか!」と営業マンに強い口調で言いましたが、「当社としては、最大限努力はしているのですが・・・」と営業マンは口を濁します。
「努力だけしても、実現しなければ意味がないよ・・・」Aさんは、小さなため息をつきました。
実際の不動産取引を見ていますと、事例のように、あいまいな表現を用いた約束はよくかわされています。
「そのように努めます」「努力します」という言葉は、とても曖昧な表現であり、「必ずそう致します」という表現とは異なります。
「努力します」という約束には、「努力しましたができませんでした」という結果を招く可能性があることを知っておきましょう。
絶対に行ってもらいたい事項(約束)については、事例のような曖昧なものではなく、「必ずそう致します」という確実な約束をする必要があります。
また、口頭での約束は、証拠が残りませんので、前回(第53回)お伝えしたように約束内容を書面化するようにしましょう。
ポイント 曖昧な約束を取り交わさないこと!
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