Vol.47 競歩選手のような不動産の営業マン
一般的に、アパート・マンションを借りるにあたっては、営業マンの案内のもと、事前に物件を見学することになります。そして、この営業マンの物件の案内方法によっては、契約後、後悔することも考えられます。
そこで、今回と次回にわたり、物件見学する際の注意点、についてお伝えします。
女子大生のAさんは、ある不動産屋の営業マンの案内のもと、賃貸マンションを見学することにしました。
Aさんは、物件図面に記載されている賃貸マンションまで、早歩きの営業マンと共に歩いて行きます。そして、物件見学し、設備面、賃料面で希望条件に近いので、Aさんは、このお部屋を借りることにしました。
2週間後、引越し完了・・・
Aさんは、夕食の食材を買うため、駅前のスーパーに歩いて向かいましたが、なかなか駅まで到着することができません。
「あれ、こんなに駅まで遠かったかな?」
最寄り駅まで思っていたよりも時間がかかり、毎日、この距離を歩くことを考えると、Aさんは、気分が滅入ってしまいました。
この事例において気になるのは、営業マンが早歩きだったということです。
Aさんは、自分の普段のペースではなく、営業マンの歩くペースにあわせて物件見学をしました。
中には、最寄り駅まで遠い場所にある物件について徒歩で案内する際に、客に遠いという印象を抱かれないようにするために、競歩選手のように早歩きで案内する営業マンがいることも考えられますので、ご注意ください。
営業マンの案内のもと物件を見学したときは、今一度、自分の普段のペースで歩いてみる必要があります。
また、物件図面に記載されている「徒歩所要時間」については、不動産の表示に関する公正競争規約において、道路距離80メートルにつき1分で計算しなければならない、というルールが定められています。
例えば、物件から渋谷駅まで徒歩10分であるならば、それは、物件から800メートル以内に渋谷駅がある、ということになります。
この公正競争規約における「徒歩所要時間」は、ひとつの目安となりますが、歩くペースは人により異なりますので、実際には、自分の普段のペースで歩いてみる必要があります。
ポイント 徒歩所要時間は自分の歩くペースで確かめること!
作者: 鳥海 耕二
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