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Vol.11 先入観で優良な部屋を見逃している事実!?

 お部屋探しをする際に、最初に行う作業が様々な物件の情報収集です。前回(Vol.10参照)お伝えした方法を用いれば、不動産屋の店舗へ来店しなくても、たくさんの物件図面を入手し、どの物件を見学するか、事前に検討することができます。

 ただし、事前に検討する際に、ひとつ注意して頂きたいことがあります。それは、物件図面を見ただけでは、お部屋の良し悪しについて全て判断することはできないという事実です。

 例えば、方位が北向きの物件図面を見た場合、多くの方は「方位が北向きか・・・きっと部屋の中は真っ暗だろうな・・・」と考えるようです。しかし、本当に方位が北向きの物件は、部屋の中が真っ暗なのでしょうか?

 私が見る限り、実際には、そうとも言えません。部屋の中が明るい方位が北向きの物件も存在します。

 そこで、今回は、先入観によって優良物件を見逃している事実について、皆さんにお伝えします。是非、物件図面をチェックする際の判断材料にしてください。

■事例(1)
 方位は物件図面通りだったのに・・・日当りが悪く湿気が多い東南角部屋

 OLのAさんは、洗濯物を干すことを考え、日当たりのいい物件を探しています。お部屋探しに慣れている友人知人にこの事を相談したところ「そんなの簡単だよ!方位が南向きの物件か、方位が東南角部屋の物件を探せば間違いないよ!」というアドバイスを受けました。確かに、南向きや東南角は、一般的に、日当たりが良いと言われています。Aさんは、不動産屋に条件として方位について自分の希望を伝え、該当する物件を自宅の家庭用FAX機に送ってもらうことにしました。翌日、不動産屋からFAXで送られてきた物件図面を見ていたAさんは、条件のいい物件を見つけ、とても気になりました。その物件は、方位が南向きで、相場よりも安く最新設備も整っています。また、十分な広さのバルコニーもあり、洗濯物を干すにあたっても申し分ありません。Aさんは、その物件を週末に見学したい旨を不動産屋の営業マンに電話で伝えたところ「この物件、希少物件なんですよ、週末まであるかどうかは何とも言えません。申込書をFAXでお送りしますので、今すぐ申し込みされることをお勧めします。週末に物件見学して、そのあと問題なければ契約というのはどうでしょうか」とその営業マンに言われました。確かにいい物件だったので、Aさんは、すぐに申込書に記入し、FAXで不動産屋宛に送りました。

 週末、自分の都合により、Aさんは、天気の悪い夕方に物件見学しました。心配だったので方位磁石も用意しましたが、図面に記載されていた通り、方位は南向きでした。Aさんは、見学後、安心してサインをしました。

 しかし・・・入居後、Aさんは、ある事実に悩まされています。それは一番懸念していた「日当たり」です。方位が南向きであったのにも関わらず、一日中、お部屋の中は真っ暗です。また、そのせいか湿気の問題も出てきました。「方位が南向きの物件だったのに・・・」Aさんは、落ち込んでいます。

■解説
 日当たりの良し悪しは方位だけでは決まりません!

 Aさんが入居した事例1にある物件を調べたところ、裏手に大型マンションが近接していることが分かりました。

 Aさんは、物件図面に記載されている「南向きの方位」に安心し、近隣の状況を確認していませんでした。また、Aさんは、きちんと物件見学をしていますが、その見学した日が天気の悪い夕方だったため、「今日は日当たりが悪くてもしょうがない」と思っていたようです。そして、更に方位磁石で南向きを確認できたので、すっかり安心していました。

 当然ではありますが、いくら方位が南向き・東南向きであったとしても、日当たりを阻害するような建物などがあった場合、お部屋の中に全く日が当たらないということは考えられます。また、そのようなことから、Aさんが借りた物件は、相場よりも家賃が安かったとも言えるわけです。Aさんのような失敗をしないためにも、方位だけを鵜呑みにせず、下記について確認し、実際の日当たりの良し悪しをチェックするようにしましょう。

・物件周辺に、日当たりを阻害するような建物等がないこと
・日当たりのいい昼間に、室内照明を消した状態で、お部屋が明るいこと

 それでは、次に、方位が北向きの物件について、お伝えします。方位が北向きのお部屋は、いかにも日当たりが悪い印象があります。しかし、それは本当なのでしょうか?

 次の事例2をご覧になってください。

■事例(2)
 方位は物件図面通りだったのに・・・明るく快適な方位が北向きの物件

 女子大生のBさんは、事例1のAさんと同様に、洗濯物を干すことを考え、日当たりの良い物件を探しています。Bさんは、不動産屋に日当たりが良いことを絶対条件として伝え、該当する物件を自宅の家庭用FAX機に送ってもらうことにしました。

 翌日、不動産屋からFAXで送られてきた物件図面を見ていたBさんは、とても気になる条件のいい物件を見つけました。しかし、その物件は方位が北向きです。Bさんは不審に思い、その旨を不動産屋の営業マンに電話で伝えたところ「この物件、方位が北向きなので直射日光は入りませんが、自然光でお部屋の中は明るいですよ。みなさん、方位が北向きというだけで嫌いますから、この物件は家賃も相場より安いんです。これは希少物件だと思いFAXしました」と言われました。

 Bさんは、その不動産屋の営業マンの話が、どうも胡散臭く感じ、その不動産屋には二度と電話をしませんでした。「騙されなくてよかった・・・」とホッとしたBさんでしたが、この営業マンは、本当に日当たりの悪い物件をBさんに押し付けようとしたのでしょうか?

■解説
 お部屋の中が明るい方位が北向きの物件も存在します!

 Bさんが見学しなかった事例2の物件を調べたところ、自然光で部屋の中が明るいお部屋であることが分かりました。

 それでは、なぜ、方位が北向きであるのにも関わらず、このお部屋は明るいのでしょうか?その答えとして、まずは、お部屋の中が明るくなる下記の要件をご覧になってください。

・窓の外に十分な空間(空が見える)があること
・窓の大きさや数が十分であること

 確かに、方位が南向き・東南向きは、直射日光が当たる方位となります。しかし、直射日光が当たる方位であったとしても、先程、事例1でお伝えしたように、隣地に大型のマンションが建っていて空が全く見えない状態であれば、お部屋の中に直射日光は入りません。また、いくら直射日光が当たる環境にあったとしても、部屋の窓が小さく、その数が少なければ、部屋の中に十分な明るさを確保することはできません。

 反対に、方位が北向きの物件であったとしても、窓の外に十分な空間(空が見える)があり、かつ、部屋の窓の大きさや数が十分あれば、直射日光は入らなくても、自然光で部屋の中は明るいのです。

 私は、様々な物件を見ていますが、方位が南向き・東南向きの物件=日当たりがいい物件、という考え方は、一概に言えないのではないと思います。

 先程、事例2に登場した営業マンが言った「みなさん、方位が北向きというだけで嫌いますから、この物件は家賃も相場より安いんです」という考えは、良心的なものだったというケースもあるということです。

 事前に物件図面をよく確認してから不動産屋に来店するというのは、前回(Vol.10参照)お伝えしたように、焦らないで優良物件を探すための大きなポイントです。ただし、部屋の良し悪しは、実際に見学しなければ分からないこともあります。特に、方位については、一般的に言われている考え方により、先入観をもたれている方が多いように思われます。この点をご注意頂ければ、希少物件に巡り合えるかもしれません。

ポイント1 方位を鵜呑みにしないこと!

方位が南向き・東南向きであったとしても、必ずしも日当たりが良い部屋とは限りません。反対に、方位が北向きの部屋が、必ずしも真っ暗であるとも限りません。物件図面に記載されている方位を、鵜呑みにしないようにしましょう。

ポイント2 実際に、お部屋の明るさをチェックする方法!

物件を見学する際は、日当たりのいい昼間を選び、室内照明を消した状態で、お部屋の明るさを確認しましょう。

くじらねっと 鳥海耕二

住まい
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2005-12-13 11:20  nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
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肛門

直射日光が部屋の中に入る部屋のメリット・デメリット、入らない部屋のメリット・デメリットが知りたいです。
by 肛門 (2013-10-30 03:31) 

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